玄関ホールが広い家

玄関ホール

 元々は間口の狭い玄関と廊下であったスペースを広々玄関に。ベンチを置いてお客様と話したり、奥のワークルームの延長として使ったり、ご主人のトレーニングルームとしても……多目的に使えます。壁上方の青いバーは懸垂棒です。向かって左のドアは、ルーフバルコニーへの出入り口、マンションながら戸建のような使い方ができるお家です。

 向かって右面、収納が取り付けられた壁は、構造上撤去できない壁です。間取変更に制約の多いお家こそ、設計者の腕の見せどころでもあります。

リビングからワークルーム側を見る。

 玄関ホールからのドアを入ると、広いLDK。室内窓の向こうはご主人専用のワークルーム。チェッカーガラスの窓は、家族の気配を感じつつ、目の前の作業に没頭することを可能にします。

リビングからダイニングを見る。

 L型のLDK、一つの空間ですが、キッチンは奥まったところに位置しており、リビングから丸見えとはなりません。ダイニングとリビングの中間にある柱型は、配管スペースも兼ねて大きくなっているので、タイルを貼りアクセントにしました。

 正面に見える左右の扉はそれぞれ子供室とご夫婦のお部屋です。

キッチン

 ダイニングから見えるキッチン。元々は壁付けでしたが、レンジフード位置は変更できないので、L型としました。黒のカウンターがご夫婦のご要望でしたので、それに合う青系のタイルを合わせました。

洗面化粧室と前室。前室の手前にトイレがあります。

 キッチンと玄関に挟まれた空間が、浴室、洗面、トイレスペースとなっています。洗面台は集成材と陶器の洗面器の組み合わせの特注品。鏡はご夫婦がお店で見つけてきたもの。水はねしやすい壁部分に、ガラスのモザイクタイルを貼っています。

ヘッドボード側のアクセントクロスはブルーグリーンの皮革調のもの。照明はヘッド側と足元、クローゼット側にダウンライトを埋めました。天井から明るく照らす……のは不要なのです。

 ヘッドボード側のアクセントクロスは、ブルーグリーンの皮革調のもの。照明は、ヘッドボード側のブラケットと2ヶ所のクローゼット(足元、キッチン裏側)近くのダウンライトのみ。天井からの全体照明より、局所の多灯照明のほうが、雰囲気のあるお部屋になります。

プラン作成時に重視することの一つに、「眺望」があります。一日の多くを過ごすLDは「眺望」の良い特等席に。LDから各個室に。また、LDまでの動線の中に、水廻りと玄関からのアクセスを持ってきます。
  • 竣工 2020年10月
  • 建物 築49年マンション
  • 施主 夫婦+子供1人+犬1匹