レンタルスペースを営む家

23区内の閑静な住宅地の一戸建て。南向きの大きな窓から見える樹々に、季節の変化を感じられます。ご自宅でレンタルスペースを運営されていらっしゃいました。

今回は、「お料理教室にも使えるように」と、キッチンを中心としたリフォームのご相談でした。

ねこりのべえは、以下の点をふまえて、リフォームプランを提示し、工事を行いました。

1.料理教室として「も」使いやすいキッチン

2.用途に応じて、フレキシブルに使える部屋

3.日中は、住居とレンタルエリアを完全に仕切る

4.最小限(箇所)のリフォームで最大級の効果を

壁付けキッチンを部屋の中央に配置して、複数人で作業できるようにしました
コンロ前ガードはガラス製で、調理中の手元がよく見えます
壁にピタリと設置したテーブル収納兼用ベンチ。キャスター付きなので移動可能。
リビングと廊下を仕切るのは3枚引き扉
リビングと廊下を挟んだ向こうがダイニングキッチンです。扉を開け放すと大広間になります。
小さなお施主様からのお手紙、励みになります。ねこりのべえと現場監督にそれぞれいただきました!
レンタルスペース営業中も、居住エリアとレンタルエリアは鍵付ドアで仕切られているのでご家族も安心です。
複数グループの利用も可能なように、住居とは別の入り口が2ヶ所あります。
ダイニングキッチン展開図 お料理教室と家族団らん、昼と夜で使い分けます

食卓兼家電収納

キッチンリフォームの重要な要素のひとつが家電収納。キッチンメーカーにぴったりのものがない場合、特注で依頼されたりします。今回もそう。

ご夫婦+お子様一人のご家族。キッチンカウンターでそのまま食事をされたいので、ということで、家電収納と兼用のテーブルを造作しました。

キッチン側から 右端が電子レンジ、中央がオーブントースター、左端のスライド棚が炊飯器用です。蒸気が出るときは、ちょっと引き出しておきます。スライド棚下は、ゴミ箱スペース。
背面(ダイニング側) 天板直下の隙間は、熱放出用。電源コードを通すための穴も兼ねています。真ん中の可動棚部分は、両側から出し入れしたいという要望もあったため。
DKと隣の洋室をつなげて、広々LDKを実現しました。
中央に撤去不能な梁があった為、ダクトレールがそれをまたぐようにつけています。

ホテルライクな寝室とthe男の書斎

洗練されたインテリアがお好きなご夫婦。お二人とも、旅行先でご覧になったホテルの設えが気に入られて、寝室はそのようにされたいとのご希望。

一方、ご主人の書斎は、それとは全く異なるテイストで、RC打ち放しと黒のアイアンを用いたいわゆる「男の書斎」風インテリアをご希望でした。

寝室ーヘッドボードの間接照明で寛ぎの灯溜まりをつくる

眠る場所はむしろ暗いほうがよい。光が直接目に入らないように、見たいものだけを照らす間接照明がよい。三角の壁の形を生かしてヘッドボードを納め、壁を照らすLED照明を仕込みました。ヘッドボードはオーク材の突板を使用して、美しく。

ヘッドボードの灯をつけたところ 壁際を照らすので、まぶしくない。
壁は無機質系クロスで凹凸が美しい陰影を描きます。昼も夜も美しいものをお選びいただきました。
寝室 After
寝室 Before

寝室 ベッドの足元側、ドアからすぐの場所に、クローゼットを増設しました。

書斎ー木×コンクリート×アイアン+アクセントカラー

ご主人のお好みは、RC打ち放しの壁・天井に鉄と木のイメージでしたが、お好きな青系のアクセント壁をどこかに使いたいということでした。

ワークデスクは、隣ビルが目の前にある窓前ではなく、長い壁に面して設置しました。1.6mの広々カウンターです。ちょっと一服も窓を開けて、眺望の良い景色を斜めに眺めながらとなります。

エアコン室外機置場に出る窓につなげて、デスクカウンターを設置しました。向かって右奥はWICとしました。
書斎 After 
大きな梁には敢えてPコン穴柄のクロスを、天井クロスは濃灰色、壁はグレー、デスク正面はご主人の一番好きな色を選んでいただきました。

書斎 Before
スイッチ・コンセントは、艶消しの黒、Panasonic/SO-styleシリーズです。
窓に面したWIC。遮光カーテンが必要です。部屋の入口からは丸見えにならないようにしています。
大掛かりな間取り変更ではなく、WICの設置と内装・家具・照明で全体の雰囲気が変わりました。

白い壁が美しい部屋

都内某所、築50年超のヴィンテージマンション、専用庭付の恵まれた環境です。
お子様の成長に合わせて、子供室2部屋、ご主人の書斎、脱衣スペースのある浴室が必要になり、リフォームを決意されました。

リビングの一画、書棚コーナーから庭を眺める。
ダイニングから庭を眺める。ダイニングの向こうに見えるのは、ご主人の書斎スペース、四角い室内窓から書斎を素通りして庭が眺められます。右手のガラスドアは、ベッドルームへの入り口。
夜は窓際に配したスポットライトが部屋内のグリーンを照らします。照明の配置も一つ一つ吟味しました。
トイレ壁の点検口あとは、四角くくりぬいたニッチスペースに。

事務所内装はDIYで

都内・九段下のサテライトオフィスは、私たちでDIYしました!

事務所 窓側を見る。窓からは首都高と隣ビルの緑が見えて、開放的で持ちイイ!
事務所 玄関側を見る。洗濯機パンは塞いでコピー機置きに。
スギの木板で作ったワークデスク。向かって左は開閉式で、バルコニーに出られます。
Before1
Before2
フロアタイル施工中。裏返して、両面テープを貼って、ひたすら、貼るだけ……
壁紙施工中。裏シールタイプなので、まっすぐに貼って、せっせと空気抜き……
DIYだって、図面はきちんと書きます。狭いから、家具配置と動線がポイント。

階段に『穴』がある家

ダイニングから階段を見る。

 賑やかな仲良し家族。開放的なオープン階段をご希望でしたが、構造的に難しいので、階段を支える壁に窓を設けました。上下階を緩やかにつなぐ空間になりました。

リビングからキッチン・ダイニングを見る。

 リビング・ダイニング・キッチンをつないで、大空間へ。構造上撤去できないブレース(筋交い)は現しにしています。

キッチン

 ご夫婦のお好みのインテリアをお聞きしたら、カリフォルニアスタイルでした。濃青のアクセントクロスと背面の白いタイル柄クロス、どっちをどっちに貼る? 迷ったけれどこれで良かったみたい。新居で味わうコーヒーは格別ですね?!

階段室からLDKを見る。

 階段を降りたらすぐにLDKにアクセスできます。壁に付けた両面から見える時計は、ご主人が見つけてきたもの。この空間に映えて、素敵ですね。

リビングからキッチン・ダイニングを見る。
キッチンからリビングを見る。

 リフォーム前に窓側にあったキッチンは、移動させて対面式に。窓側はたっぷりの収納スペースとしました。タイルのように見える壁は、クロスです。DIYで棚を後付けできるように、取付下地を入れてあります。

玄関正面壁。

 施工者泣かせのR(アール)形状の開口枠。カッコいいのですが、クロスや木で仕上げるのが難しいのです。なので、ご家族と弊社担当者で塗り壁にすることに……。

 お子様たちはゴム手袋で、大人たちはコテで、共同作業で完成しました。お疲れ様でした!

玄関から1階洗面脱衣室側を見る。左折戸は物入です。

 玄関横に土間収納を設けると多目的に使えるのでおススメです。

玄関
1階洗面脱衣室

 広めの洗面脱衣室は、洗濯物の仮干しができる物干しスペースを設置。衣類収納を備えれば、身支度もこちらで完了します。家事室ともなるお部屋なので、スペースに余裕があれば是非広めに計画したいお部屋です。

1階洗面脱衣室
1階トイレ
2階トイレ
2階洗面台
  • 竣工 2020年10月
  • 建物 築20年戸建
  • 施主 夫婦+子供2人

玄関ホールが広い家

玄関ホール

 元々は間口の狭い玄関と廊下であったスペースを広々玄関に。ベンチを置いてお客様と話したり、奥のワークルームの延長として使ったり、ご主人のトレーニングルームとしても……多目的に使えます。壁上方の青いバーは懸垂棒です。向かって左のドアは、ルーフバルコニーへの出入り口、マンションながら戸建のような使い方ができるお家です。

 向かって右面、収納が取り付けられた壁は、構造上撤去できない壁です。間取変更に制約の多いお家こそ、設計者の腕の見せどころでもあります。

リビングからワークルーム側を見る。

 玄関ホールからのドアを入ると、広いLDK。室内窓の向こうはご主人専用のワークルーム。チェッカーガラスの窓は、家族の気配を感じつつ、目の前の作業に没頭することを可能にします。

リビングからダイニングを見る。

 L型のLDK、一つの空間ですが、キッチンは奥まったところに位置しており、リビングから丸見えとはなりません。ダイニングとリビングの中間にある柱型は、配管スペースも兼ねて大きくなっているので、タイルを貼りアクセントにしました。

 正面に見える左右の扉はそれぞれ子供室とご夫婦のお部屋です。

キッチン

 ダイニングから見えるキッチン。元々は壁付けでしたが、レンジフード位置は変更できないので、L型としました。黒のカウンターがご夫婦のご要望でしたので、それに合う青系のタイルを合わせました。

洗面化粧室と前室。前室の手前にトイレがあります。

 キッチンと玄関に挟まれた空間が、浴室、洗面、トイレスペースとなっています。洗面台は集成材と陶器の洗面器の組み合わせの特注品。鏡はご夫婦がお店で見つけてきたもの。水はねしやすい壁部分に、ガラスのモザイクタイルを貼っています。

ヘッドボード側のアクセントクロスはブルーグリーンの皮革調のもの。照明はヘッド側と足元、クローゼット側にダウンライトを埋めました。天井から明るく照らす……のは不要なのです。

 ヘッドボード側のアクセントクロスは、ブルーグリーンの皮革調のもの。照明は、ヘッドボード側のブラケットと2ヶ所のクローゼット(足元、キッチン裏側)近くのダウンライトのみ。天井からの全体照明より、局所の多灯照明のほうが、雰囲気のあるお部屋になります。

プラン作成時に重視することの一つに、「眺望」があります。一日の多くを過ごすLDは「眺望」の良い特等席に。LDから各個室に。また、LDまでの動線の中に、水廻りと玄関からのアクセスを持ってきます。
  • 竣工 2020年10月
  • 建物 築49年マンション
  • 施主 夫婦+子供1人+犬1匹